前立腺がん

前立腺とは尿道を取り囲む栗の実ほどの男性特有の臓器で、膀胱直下に存在します。前立腺がんは前立腺に発生するがんで、罹患率としては肺がんに続いて第2位となっており、誰にでもかかりうる疾患となっております。

前立腺がんを発症する仕組みは解明されていませんが、男性ホルモンの影響や食生活の欧米化、あるいは加齢といったものが影響しているのではないかと言われています。

このがんの特徴は、発症後の進行が遅く、またがん特有の症状も現れないことです。がん自体が大きくなって膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルや血尿などが出るようになって初めて気づくことが多く、一旦進行してしまうと、そのがん細胞が骨やリンパ節に転移しやすく、滅多にないことですが下半身麻痺などの症状が現れることもあります。このような状況を避けるためにも、自覚症状が現れる前に発見して治療することが大切ですので、定期的にがん検診(PSA検診)を行うことをお勧めします。PSAは前立腺癌に特異的な腫瘍マーカーであり、採血にてPSA値を測定することで前立腺癌の疑いがあるかどうかの判断にもなります。PSA値が正常値より高い方には前立腺から直接組織を採取する前立腺生検を行い、採取された組織を顕微鏡による病理診断を行い前立腺癌の有無を調べます。当クリニックでは局所麻酔による日帰り検査にて前立腺生検をおこなっております。

前立腺がんの治療法では、手術、放射線療法、ホルモン療法、また特別な治療をせずに経過観察をしながら様子をみるPSA監視療法などがあります。どの治療を行うかは、診断時のPSA値と腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、病期診断に基づくリスク分類、患者様の年齢と期待余命、および患者様の病気に対する考え方などが判断の基準になりますのでしっかりと相談の上治療法をきめてまいります。

膀胱がん

腎盂~尿管~膀胱の内側を覆う粘膜を尿路上皮と呼びます。尿路上皮に発生するがんを尿路上皮がんと呼び、膀胱がんは尿路上皮がんの中では最も発生頻度の高いがんで、尿路上皮がん全体の約半数を占めます。また、死亡数も最も多く、尿路上皮がん患者の約7割を占めると言われています。罹患者には高齢の男性が多く、男性は女性と比べ発生率は約4倍です。

膀胱がんの9割近くが尿路上皮がんという種類で、このほか扁平上皮がんや腺がんの場合もあり、がんが発生する原因には喫煙や化学物質、尿路感染症などが指摘されています。

初期の症状として最もよくみられるのが痛みなどの症状がみられない血尿で、そのほかにも膀胱の刺激などから起きる頻尿や排尿障害が見られることもあります。

なお膀胱がんは、膀胱鏡検査を行えば、ほとんどは診断がつきます。尿にがん細胞が落ちているかどうかを調べる尿細胞診も有効な検査のひとつです。

治療については、外科的治療、化学療法、放射線療法などがあります。まず、腫瘍の深達度(がんの根の深さ)によってステージが決定され、治療方法も変わります。腫瘍の深達度を評価するため麻酔下(全身麻酔・部分麻酔)をかけて膀胱鏡で腫瘍を観察しながら、がんを電気メスで切除(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-BT)します。この手術の結果、表在性(根が浅いがん)であれば完全切除も可能です。浸潤性(根が深いがん)であれば膀胱を摘出する方法(膀胱全摘除術)が標準治療となります。表在性膀胱がんは非常に再発しやすい疾患であり、再発予防目的で膀胱内にBCG(牛型結核菌)や抗癌剤を注入する膀胱内薬物注入療法が行われます。

腎盂・尿管がん

腎臓でつくられた尿が腎盂から、腎臓と膀胱をつなぐ尿管を通じて、尿が膀胱まで運ばれます。この尿管にできた悪性腫瘍が腎盂・尿管がんです。血尿がきっかけで発見されることが多く、中年以上の男性に患者が多いのも特徴です。尿管は非常に薄く、がんが発生すると早い段階でステージが進行してしまいますので早期発見・早期治療が重要となります。

治療では、転移がない場合は外科的治療が中心です。腎臓~尿管と膀胱の尿管の流入部を切除する腎尿管全摘+膀胱部分切除術が標準治療です。また、進行がんの場合は、免疫チェックポイント阻害薬、放射線療法、数種類の抗がん剤を組み合わせた化学療法が行われます。

腎がん

腎がんは腎細胞がんとも呼ばれ、腎臓内にある腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。なお、同じ腎臓内にある腎盂がんとは、がんの性質や治療法が異なります。この腫瘍は大きくなると血尿や脇腹から腰にかけての痛み、腹部が膨らむなどの症状が出ます。症状が現れなくても他の検査目的で行った腹部の超音波検査やCT検査でがんが見つかる場合もあります。

遺伝的要因や、透析を長期間受けている方をはじめ、肥満や喫煙、高血圧なども発病する危険性が高いと言われています。また、腎がんは50歳を過ぎた男性に多く見られるのも特徴で、このがんを放置するとやがて肺や肝臓、リンパ節まで転移しますので、早期発見・早期治療が重要です。

腎がんを検査する方法には、尿検査、超音波検査、血管造影検査、CT・MRI検査、腎盂尿管鏡検査などがあります。治療法としては、外科的治療が中心で、がんが生じている部位の腎臓を部分的に切除する腎部分切除術が一般的ですが、腎部分切除術だけでは難しい場合は、がんのある側の腎臓をすべて摘出する腎摘除術を行います。

精巣がん

精巣がんの罹患率は10万人に1人程度で、比較的まれながんと言われています。その名の通り精巣(睾丸)に発生するがんで、多くは精子の元になる細胞(胚細胞)が、がん化したものです。この疾患が他のがんと異なる点は、20歳代後半~30歳代にかけて発症のピークがあり若年層の患者様が多いことで、20~30歳代の男性が罹る固形がん(白血病などの血液腫瘍以外のがん)では、最も患者数が多いと言われています。

精巣がんでよく見られる症状は、片側の精巣の腫れや硬さの変化です。生活の中でひょっとしたタイミングで精巣の一部が硬くなっていることに気がつく、無痛性陰嚢内腫大が精巣がんの特徴的な症状です。時に炎症を併発し痛みを伴う有痛性腫瘍として発見されることもあります。精巣がん細胞(胚細胞が癌化したもの)は非常に細胞分裂が盛んで特異的な早さで進行するため、短期間で転移が出現し、その転移によって生じた症状から、実は精巣がんがきっかけだったとわかる場合もあります。

なお、その場合は転移した部位によって症状は異なり、腹部リンパ節への転移であれば腹部のしこり・腹痛・腰痛などが現れ、肺への転移であれば息切れ・咳・血痰などがみられます。

このように精巣がんは進行が速く、転移もしやすいため、精巣がんが疑われる場合には、まず病気のある側の精巣を摘出する手術を行います。そして手術で取り出した組織を顕微鏡(病理組織学的診断)で調べた後に治療方針が立てられます。

さいたま泌尿器科クリニック
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