過活動膀胱(OAB)

過活動膀胱(OAB)とは、自分の意思とは関係なく勝手に膀胱が収縮してしまう疾患で、尿意切迫感、頻尿、尿失禁などの症状が見られます。

主な原因としては、脳梗塞やパーキンソン病などにより、脳や脊髄に障害が生じたことで排尿をコントロールしている筋肉が効かなくなる神経因性の場合、もしくは男性であれば前立腺肥大症が原因であることも考えられます。

過活動膀胱の診断については、腹部エコー検査(残尿量の測定)、尿検査、血液検査などが行われ、そのほかにも尿流測定、ストレステスト、パッドテストなども実施します。治療は抗コリン薬による治療が中心になりますが、前立腺肥大症が原因であれば尿閉を引き起こす可能性もあることから、閉塞症状を解消する治療が優先的に行われます。難治性過活動膀胱に対しては「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法」が2020年より健康保険が適応となり、当クリニックでも治療が行えます。この治療はA型ボツリヌス毒素を膀胱内壁注射することで筋弛緩作用を示し、過活動膀胱による種々の症状を改善する治療法です。そのほかには、薬を使わない行動療法(膀胱訓練や骨盤底筋体操等)などもあります。

前立腺肥大症

前立腺とは尿道を取り囲む栗の実ほどの男性特有の臓器で、膀胱直下に存在します。膀胱に貯留した尿がまず前立腺内をトンネルのように走行する前立腺部尿道を通過しペニスより排尿されます。精子を活性化する前立腺液を分泌する役割があります。前立腺は何かのきっかけで肥大するようになると、筋肉が過剰に収縮するなどして尿道を圧迫し、そのため尿がでにくくなるなどの排尿障害の症状が出るようになります。これが前立腺肥大症です。

前立腺が肥大する原因として、男性ホルモンの働きや生活習慣病、食生活などが関係すると考えられています。なお前立腺肥大症は加齢と共に発症者が増えてくるのが特徴で、80歳以上の男性では、8割以上の方が前立腺肥大症になると言われています。

主な症状としては、頻尿(1日8回以上)、急に尿がしたくなった場合に我慢が困難になって尿を漏らす、夜中に何度もトイレに行く、尿が出にくい、などがあります。

治療方法は薬物療法(α遮断薬など)が中心で、十分な効果が出ない場合は手術を検討します。当クリニックでは日帰りで非侵襲的な治療である尿道ステント留置術も行っております。

神経因性膀胱

神経因性膀胱とは、排尿をコントールしている神経回路のどこかに病気やけがによる損傷や障害(脳梗塞や脳出血、脊髄損傷、糖尿病による末梢神経の障害、薬剤に伴う副作用など)が生じることで、尿を溜めたり出したりすることがうまくできなくなっている状態です。症状としては、頻尿をはじめ、急な尿意、トイレに間に合わない、尿勢が弱い、尿が途中で止まる、排尿に時間がかかる、残尿感などがあります。

治療については、そもそもの原因となっている疾患の治療を行うことが優先されますが、薬物療法による対症療法や自身で尿道よりカテーテルを挿入し多量な残尿を排出させる自己導尿療法や尿道カテーテル留置、膀胱瘻留置ならびに管理も当クリニックでは行っております。

医療法人 爽成会 さいたま泌尿器科クリニック
大宮駅西口徒歩3分 048-658-7222

埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-266-12 Grandio Sakuragicho3階

院長
林達郎
  • 日本泌尿器科学会専門医 指導医
  • 日本泌尿器科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定医
診療内容
泌尿器科 内科
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